一筋縄ではいかなかった!【中華カーボンハンドル】のスレッドステムへの取り付け
前回の投稿【中華カーボンパーツカスタム!【カーボンハンドル”第一回”個人輸入編】】にて紹介した、アリエクスプレス注文の”カーボンライザーバー”。今回はステムに取り付けていきましょう。取り付けるのは、自転車界隈で絶対の信頼と知名度を誇る国産メーカー【NITTO(ニットー)】のスレッドステム。
ニットー信者の僕は前身のブログでもニットーのご紹介をさせていただきました。【過去ブログ|日東(ニットー/NITTO)のスレッドステム】
先に結論から言いますと、今回のカーボンライザーバーはNJSのステム(用意したのは”NITTO「ニットー」の「NPⅡステム」。NJS認定の競輪規格”)に装着できませんでした!
次回の投稿ではちゃんと装着できた方法を紹介します。今回はひとまず、NJSのスレッドステムに装着するためにあれこれしてみた”おすすめしない方法”を中心に掲載しましょう。恐ろしく需要はなさそうですが、宜しければどうぞ。
あまりお勧めはできない【カーボンハンドルの”非推奨”】な取り付け方
さてここからは非推奨な方法をつらつら書きます。真似することはお勧めしませんし、もちろん積極的に取り入れる必要はない方法です。
あくまでも僕のDIY精神に基づく、スレッドステムへのカーボンハンドル取り付け方法です。
カーボンハンドルの固定に”歯磨き粉”
いきなり意味が分からないと思います。クリアクリーンは歯磨き粉ですからね。
そもそも、ステムにハンドルを装着するときや、シートチューブにシートポストを装着するとき、金属同士のふれあう接地面にグリスを塗ることはメジャーです。ご存知の方も当然多いはず。
ところが、カーボンパーツの場合は別です。【ファイバーブリップ】などの名前で売られているような、専用のグリスっぽいケミカルを使います。ザラザラした触感のツブツブが配合されているモノです。このザラザラしたツブツブをカーボンパーツとパーツ取り付け部の接触するところに塗り、固定します。
カーボンは金属ではありません。そのため、金属と違って思い切り締め付けたりすると、あっけなく「バキッ」となります。なのでこのようなザラザラツブツブを接地面に塗り、滑り止めとするわけです。
しかしてこの【ファイバーブリップ】。本業の自転車屋さんならまだしも、個人ではそうそうしょっちゅう使いません。多分1本買えば一生分でしょう。使い切る前に「あれっ、どこしまったっけ」となるのが目に見えます。
本格的なカーボンフレームにカーボンパーツ満載のカーボン自転車を所有しているなら、もちろん持っておくといいケミカルです。が、ハンドル一本のために買うのは若干腰が重い。そこでクリアクリーンです。
クリアクリーンをハンドル中央に塗る
クリアクリーンは中身のペーストを触るとわかるように、配合されているツブツブ/研磨剤がわりと大振りです。この触感が【ファイバーグリップ】の手触りを感じさせます。
これを適量ハンドルに塗りつけます。しばし放置すると・・見事にザラザラの層が形成されるのです。(※非推奨ですよ)
この状態で取り付けると、僕自身は不都合を特に感じたことはありません。(※非推奨です。)ステムの材質、パーツの精度などによっても左右されるのは間違いありませんが。
さてこのクリアクリーンカーボンをさっそく装着しようとします。ですが
装着できませんでした。
これは決して中華カーボンハンドルの精度が低いわけではありません。単純に、ライザーバーのアール部分の角度が急で、NJSステムのクランプ径(25.4mm)を超えてしまったからです。
中華カーボン限らず、ハンドルのライズが50mmを超えてくると、割とこういうことがあります。そもそも50mm以上のハイライズなライザーバーは、NJSのスレッドステムに装着することを念頭に置いてるわけでもないでしょうし。笑
こんな時は非推奨テク第二弾です。
スレッドステムのクランプ径を拡張!
はいこれも非推奨です。
スレッドステムのクランプ部(ハンドルを通すところですね)を、力わざで広げます。このハイテクなご時世に思い切りアナログなパワー押し作戦です。
もっとも、この方法はNITTO(ニットー)が公式でリリースしているパーツもあるくらい、絶対にやってはいけない方法ではありません。ただし、やり方を間違えると、、
- パーツの破損
- 破損しないまでもパーツの性能低下
これらを招きます。
慎重さが求められる作業です。そして、この方法は鉄のステムではある程度無理が効きますが、アルミだとなおさら慎重に行わねばなりません。
本来であれば専用ツールを使って慎重に行うべきクランプ拡張。
※リンク:NITTO ハンドルツール4|ステム拡張専用ツール
ここで非推奨な方法第二弾です。画像をご覧ください。
パーツが泣いています。
このステムは、クランプボルトが一本です。ネジ切りがされているのは、クランプの後ろ側です。
つまり、ハンドル取り付け用のクランプボルトを一旦外し、ステム裏側からネジネジすれば、ステム前方向に向かってボルトが進みます。
これを利用して、ステムのワリが入っている部分に鉄板や何かをあてがい、ボルトをぐいぐい締め付けてやれば拡張できます。
近くに鉄板が見当たらなかったので六角レンチを間にかませ、グリグリやりました。破断覚悟で。
ですが。
いけるときはいけます。ただ、無理なものは無理です。今回のカーボンライザーは無理でした。
拡張しつつ、ぐいぐいハンドルを回し、ねじり、押し込み、最終的には間にかませた六角レンチが吹っ飛ぶ始末。
お陰様で無理がたたり、カーボンライザーは納品30分後に擦り傷だらけとなったのでした。
スレッドステムへのハンドル取り付け|無理は禁物
見た目のシンプルさと美しさで、今でも一定のユーザーから熱い人気を集める「スレッドステム」。
このトラディショナルなパーツに”無理”はいけません。もっとも、スレッドステムと一口に言っても
- ママチャリ用
- マウンテンバイク用(昔の規格)
- 競輪用
- ロードバイク用
などなど、それぞれのルーツで微妙にデザインの方向性や機能面、各種規格が違うものもあります。
つまり、今回の中華カーボンハイライザーバーでも装着できるスレッドステムは確実に存在します。
次回は、今度こそちゃんと取り付けられたステムをご紹介しましょう。
miki