それなりに長いこと続けてまいりました当ブログ”T-BackBROZ”ですが、基本的にほぼ100%【ピストバイク】に関する内容で続けてまいりました。ピストバイク以外の記事でいえば、、一輪車くらい?かな。
さて。”ピストバイク”っていうのは改めて簡単に定義するなら、
- 変速なし(一速のみ。”シングルギア”)
- 後輪が空転しない(固定ギア)
これですね。
その構造のシンプルさ、メンテナンス性の高さ、部品点数の少なさからくる、維持のしやすさ。これらもピストバイクの魅力です!
ですが、今回はピストも絡めつつ”ロードバイク”の話題いっちゃいますね。
- 変速あり
- 後輪は空転し放題
- 部品点数がめっちゃ多い
細かいカスタムがどうのこうのは置いといて、久しぶりにロードに乗った感触やピストバイクとの違いを気ままに書いてみるものとします。
“ピストバイク”と”ロードバイク”の違い
ピストバイクとロードバイクの違いについて触れる前に、先ずは「共通点」も知っておきましょう。先ず、大前提としてどっちも【自転車】です。これは当たり前か。もっといえばどっちも【競技用自転車】です。タイプは違えど、主としてレース競技に使う自転車です。どちらとも、自転車にさほど興味がない視点からだと「速そうな自転車」です。
そのため、シルエットだけでいえば両者はよく似ます。見比べてみてください▼
上の写真がピストバイク。下がロードバイクです。よく似ています。そのため、フレームや各部の規格と合わせてしまえば大体のパーツが流用出来ます。ハンドル、ステム、ブレーキ、シートポスト、サドル、ペダル、フロントホイールなどなど。この辺りはピストでもロードでも兼用できてしまったりします。(もちろん全部が全部ではありませんけどね)
ただ、絶対に流用出来ないパーツがあります。これがピストとロードの最たる違いでしょう。それは「変速機構」です。
ピストはそもそも変速しないので、変速機構を必要としません。ロードバイクは変速します。そのため変速機構が絶対的に必要です。特にリアホイールは変速用の多段ギアを装着するため、ピスト用と比べると横幅が広くて全然違います。そのためピストフレームには装着自体出来ません。サイズが違いすぎます。(ピストフレームのエンドを加工してロードホイールを装着する/ロードエンドに固定ハブを装着する凄い人&トリッキーなパーツもありますが、ここではいったん割愛。笑)
“ピストバイク”と”ロードバイク”|用途が違う
シルエットは似ている両者ながら、ここからピストとロードの明確な違いをご紹介しましょう。先ず、いずれも”競技用自転車”ですが”競技”の内容が違います。
ピストバイク=トラックレース
ピストバイクはトラックレース用の機材です。専用のコース(トラック/競輪場)を走り、比較的短距離でのレースを競います。陸上でいうところの「短距離走」や「スプリント」のイメージです。踏み込む、全力で加速する、ブレーキをかけない。そのために不必要なパーツをごそっと削ぎ落してシンプルな見た目になっています。
ロードバイク=ロードレース
対してロードバイクはロードレース用の機材です。主に屋外の舗装された公道を延々と走ります。長いレースでは一日で200km以上とか走ります。陸上でいえば「マラソン」です。そのレースの最中は実に様々な環境の変化がおきます。山の区間では上り/下りがあり、海沿いでは強烈な潮風を受け、舗装の荒い区間ではじりじりと体力を削られます。そのため、ロードバイクに求められるものは「”長い距離”をより”効率的に速く走る”こと」です。これには「変速機構」と「ブレーキ」は必須の要素なのです。
“ピストバイク”と”ロードバイク”|パーツ構成が違う
先ほどの項目で、競技による「用途の違い」をあげました。もう既に書いてしまいましたが、パーツ構成の違いは
- ブレーキがあるか無いか
- 変速機構があるか無いか
ここにつきます。
“ブレーキ”の有無
ピストにはブレーキがありません(街乗りでは装着が必要です)。競技において急な減速は大事故の元であり、スプリントにおいては加速が最重要なためです。ロードにはあります。ブレーキなしで山を下るのは、、どうなるかわかりますよね。
“変速機構”の有無
ロードには変速機構があります。様々なシーンの変化がある長距離をペースを維持して効率的に走るためです。ピストにはありません。起伏の無い、短距離の専用コースを走るためです。そのためピストバイクにはメカトラブルがほとんど起きないというのもポイントですね。
“ピストバイク”と”ロードバイク”それぞれのおススメ。
ピストとロード、それぞれに違いがあるため、それぞれおすすめのポイントは変わってきます。どちらを購入しようか考えている方の参考になれば、と思います。
毎日の移動手段として乗るなら→ピストバイク
ピストは毎日乗る乗り物として申し分なし。比較的短距離の移動やサイクリングに最適です。シティサイクルに比べて圧倒的に軽い車体は取り回しもしやすく、パーツ点数もとにかく少ないため、壊れづらく、かつ壊れても交換やメンテナンスが容易。車体を維持しやすいのは究極のメリットかもしれません。また「変速が無いってしんどいんじゃないの?」という声もありますが、正直なところ10km~20km前後の移動距離であれば、変速無しでも案外余裕です。これは乗ってみればすぐに気付くと思います(←ほんとに!)
100kmくらいのロングライドも行こうと思えば行けますが、まあロードの方が楽なのは否めません。笑
また”ピストバイク”という響きからは、多少ならず”本気っぽい”、”ガチっぽい”、”競技用”みたいな感じにも聞こえますが、しっかり前後にブレーキをつけ、フリーギアでラックを装着するなどし、街乗り用に組み上げるのもこの頃はすっかり浸透してます。
「興味はあるけど・・」と、多少敬遠している方も多いのかもしれません。ですが是非一つの選択肢におすすめです。
長距離ツーリング/休日のロングライドをするなら→ロードバイク
ロードバイクの最大のメリットは、「”長距離”を”早く効率よく”、”楽に”走れる」ことです。例えば休日、丸一日かけて遠くまで景色を見に行きたいとき。一泊二日の旅行に行く手段として”自転車”を使いたいとき。ピストバイクとの違いとしては、「よりアクティビティ性があり、スポーツ志向」といえるのではないでしょうか。
また、ピストバイクに比べパーツ点数も多く、変速機構のメンテナンスや交換は、より専門的な知識を必要とします。なので、”毎日気楽に乗るもの”とは言えないのかもしれません。ブレーキのすり減り具合やギアチェンジの調子を気に掛けるなど、ピストよりもいくらか気をかけるべき部分が増えてきます。
ただし、自転車に興味をもって初めてロードに乗る初心者でも、「これまでよりも圧倒的に早く、長距離を走れる」という体験は何よりも新鮮で衝撃的でしょう。本格志向のジャンルではありますが、新しい趣味に”自転車”を検討する方にはおすすめですね。
結論。好きなモノに乗ろう。
いきなり投げやりな感じになりましたが。笑
ただ、若干でも予備知識を持っておくことはより良い選択につながります。ここまで記載した内容がちょっとでも参考になると幸いです。まあ個人的結論は、“好きなモノに乗る”ことがベストな答えです。それぞれの違いとメリット/デメリットのような内容を書きましたが、最終的には「直感的にいいと思ったもの」を選ぶ方が満足度が高いと思ってます。
逆に、今ロードに乗っている人は”ピストバイク”も。今ピストに乗っている人は”ロードバイク”も。ジャンルを超えて興味を持っていただけるきっかけになれば、とも思います。
miki