ピストバイク(シングルスピード)にVブレーキという選択!
ピストバイクやシングルスピードの自転車は、そのシンプルな見た目とメンテナンス性の良さが最大のメリットである。と、個人的に思っています。
シンプルを突き詰めた、というわけではないですが、競技場を走るモノホンのトラック競技用車体には、競技の特性上からブレーキすらついていません。そのルーツを持つピストバイクだからこそ、ある意味ではブレーキの装着されていない見た目こそが本来の姿であり、やはりカッコよさというのはあります。
しかして街乗りではブレーキの装着は必須であるため、一般的に販売されているピストフレームにはブレーキホールが空いており、通常のロードバイク用キャリパーブレーキの装着も、もちろん可能です。
ところで、近頃は太めのタイヤをピストに装着するカスタム例がかなり増えてきました。記憶に新しいところでは、名作フレーム「アフィニティ ロープロ」が35cくらいの太タイヤを履けるようアップデートされた(2022年時点)のも新鮮でした。
23c前後の細いタイヤでカンカンに空気圧をあげて速く走るのも勿論一つの醍醐味ですが、あえてグラベル系のタイヤを装着して走破性を上げ、山やらガレ場に行くのもすっかり浸透している楽しみ方です。で、そういう未舗装ルートなどを走る場面や、バイクパッキングで荷物を多数積んでいるとき、ロードバイク用のキャリパーブレーキでは、ブレーキングのパワーに物足りなさを感じることが多々あります。
そんな時にいい塩梅に制動できるブレーキ。それが今回のお題【Vブレーキ】です。普及帯価格のクロスバイクなどでもよく採用されているタイプですが、買い出しや通勤など日常の足で活躍する自転車にも、このブレーキング性能は程よい感じと言えることでしょう。
Vブレーキの装着には「Vブレーキ台座」が必要
さっきチラっと紹介した普通のキャリパーブレーキは、おおよそ大体の自転車に無加工で取り付けることができます。(一部のフレームや競輪用のNJSフレームなどは装着にひと手間の場合も有りますが【過去の参考記事】)
対してVブレーキの装着は、なんでもかんでもできるわけではありません。フレームとフォークに元々Vブレーキ台座がついていないと難儀です。Vブレーキ台座ってこうゆうのです。
棒です。内側にネジ山が切られた棒がフォークやシートステーについていれば、それはVブレーキ台座です。
ここにブレーキアームを取り付け、左右のブレーキにワイヤーを渡し、Vブレーキの装着が完了します。装着が完了するとこんな感じです。
ところで現行で販売されている【ピストフレームでVブレーキ台座が標準でついているモノ】はかなり少数派です。
有名どころのフレームであればチネリの「トゥット」や、マッシュの「STEEL」がありますね。サーリーの「クロスチェック」など多段ギアに対応しているフレームをシングルスピード化するのも一つの手ですが。最終的にはVブレーキ台座を溶接しちゃった!なんて人もちらほらいます。
Vブレーキのメリット
Vブレーキは冒頭にもご紹介したように、ブレーキングの力が強いことが特徴です。ディスクブレーキに比べれば劣りますが、それでもまだ現役で使われています。
また、太めのタイヤ装着時でも問題なく使え、ホイールを取り外す時にはブレーキを開放するだけで良いって所も、大きなメリットでしょう。ちなみに、色々なブレーキのメリットやデメリットをとても分かりやすく紹介されている【TABIRIN】様の記事が参考になります。ぜひこちらもご覧くださいね。
【TABIRIN】様の記事|自転車のブレーキにはどんな種類がある?タイプごとのメリット・デメリットを紹介!
次回|Vブレーキの装着編
先日掲載していましたRIZERの組み上げですが、せっかくRIZERにはVブレーキ台座があるので、Vブレーキ仕様に変更してみます。
取り付け時のチェックポイントなど掲載できればいいかなと思います。ぜひ次回もご覧くださいませ。
miki