【番外編】これが究極の固定ギア?ユニサイクル(一輪車)を組んでみる|第一回

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ARAYA(アラヤ)
アラヤのヴィンテージ一輪車
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ユニサイクルとは

これまでこのブログでは”ピストバイク””固定ギア”についてひたすら更新してきましたが、今回はちょっと箸休め的に別ジャンルの内容をお届けしましょう。

お題はずばり。【ユニサイクル】です。

若干聞きなじみが薄いかもしれませんこの単語。つまるところ【一輪車】です。【ユニサイクル】の「ユニ」とは、綴りに直すと「uni」となります。これはラテン語系の数詞で「第一の」「単一の」を意味します。フランス語では、「1,2,3」を「アン、ドゥ、トロワ」といいますよね。「アン」は綴りで「un」です。これもまた、数字でいうところの「1」を示します。

【単一のサイクル】つまり【一輪車】です。

 

ユニサイクル(一輪車)の歴史

ユニサイクル(一輪車)の原型は、19世紀半ばごろに流行った【自転車】とされています。このころの自転車は今の自転車と違い、前輪に直接クランクとペダルが装着されており、チェーンはもちろん変速機の概念もありませんでした。

加速性、トップスピードの伸びを実現するためには、思い切り頑張ってペダルを踏むか、前輪のサイズを変えるしかなかったわけです。

どんな自転車かというと、下の写真のようなものです。

以前訪れた、オーストラリアはケアンズで。山中のカフェ軒先にて。

このタイプの自転車。やはりバランスが悪かったということで、「いっそ後輪いらないんじゃね?」的な流れで一輪車が誕生したとか。

真偽はわからない部分もありますが、中々にパンクな発想で生まれたプロダクト。それが一輪車のようです。

そして時は流れ、わが国、日本でも広く普及することとなります。日本で普及し始めた歴史は意外と新しく、1980年代となります。「公益社団法人日本一輪車協会」という法人が1970年代終わりごろに発足し、この団体の活動により、1980年代初頭ころに一気に広まることとなりました。体力づくりを推進する趣旨もあり、全国の小学校も一挙に一輪車を取り入れます。思い出してください小学生のころ。昼休みになると、誰か一人は必ず一輪車の練習してませんでしたか?僕が小学生の時にひそかに好きだったあの子も一輪車が好きだったな(遠い目)僕自身は当時は全然練習しませんでしたが。笑

 

ARAYA(アラヤ)のユニサイクル

そんな80年代に一気に広まったユニサイクルですが、さて今回はまさに当時モノ、つまり70年代後半から80年代初頭にかけて生産されたという【ARAYA】の【スワロー】を入手しました。

ARAYA(アラヤ)って?

アラヤをご存じでない方にご紹介すると、アラヤは1903年に日本で初めて自転車の【リム】を生産スタートした、超老舗のメーカーです。リムだけではなく、ツーリング車、シクロクロス車はじめ自転車そのものもラインナップし、フェンダーやキャリアなどのパーツもリリース。質実剛健な渋いプロダクトを多数発表しています。

今でもやはり、【リム】は一定の揺るがない支持があり、ピストでも取り入れている方はよく見かけます。

 

ARAYA(アラヤ)のSWALLOW(スワロー)

で、ようやく本題です。今回手に入ったのがこちらです。

丁寧な梱包

おおまかに分解して丁寧に梱包された状態で届きました。自転車と比べるとさらにパーツ点数が少ない。これがユニサイクルです。

ざっくり組み立ててみました。

アラヤ|スワローの組み立て

ところどころに錆浮きや色褪せがありますが、これは味です。状態自体は全然問題なしです。各部のボルトにもグリスが残っており、固着は全くなし。前オーナーが大事にしていたことが伺えます◎

このユニサイクル、シリーズ名(フレーム名?)は“SWALLOW(スワロー)”というようです。製造されたのは、ムーブメントが起きた前後の時期、1970年代後半から1983年ごろ。

全体にクロームメッキが施されており、非常に上品。錆も表面にしか発生しておらず、パイプ自体も中々いいものが使われているようです。しかも専用スタンド付き(!)

 

次回。ユニサイクルの分解編

当時のものづくりの高精度っぷりにひとしきり感動したところで、次回はがっつり分解して各部を組みなおしていこうかと思います。

ちょっと乗ってみた感じ、大きな問題点はなさそうでしたが、なんせ構造が気になって仕方がありません。

i地面との接点は一か所!恐る恐る乗ってみる。

オーバーホール/メンテナンスもかねて、次回は各パーツの分解と構造の確認をしてみます。もっとも、番外編のシリーズなので更新日は未定ですが。笑

ピストとは関係ないながら、ある意味では究極の固定ギア。変速できない上に超ダイレクトな乗り味のプロダクト。ユニサイクルの魅力もぜひお伝えできればと思います!

 

miki

 

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