【SPD】を自転車に取り入れるメリット
「SPD」とは、ペダルとシューズを”カチッと固定してくれる”タイプの自転車の足回りの機構、みたいに思ってもらえればOKです。まぁ「ビンディングペダル」の選択肢の一つです。よくサイクリングロードで見かける、「カチッ!」とか「バツン!」みたいな感じの音を出してペダルに固定する、アレです。
SPDは「シマノ・ペダリング・ダイナミクス」の略称です。そうです。有名なコンポーネントメーカーであり日本を代表するパーツ屋さん的存在の「シマノ」が開発してます。実は、ロードバイクというよりMTBのニーズに応えて作られたっていう背景があったりもします。
よりロードバイク向けのレース志向、本格派には、「SPD-SL」っていうのがあります。主にローディーの使用率が高いのはこっちです。今回は割愛。
で、このタイプのペダルおよびシューズは、どうしても「ガチっぽさ」をばくぜんと醸します。なんとなく競技然としていて取っつきづらい。そんなイメージ有りませんか?
ですが案外、なかなかどうして。割と初心者にもおすすめ&初心者だからこそ体験しやすいメリットもあるもんです。今日はその辺を中心にいってみましょう。
1:力をかけやすい
専用のシューズとペダルを用いることを前提とし、より効率的なペダリングを実現してくれるというのがうたい文句です。
じゃあ効率的ってどういうこと?となります。ここでいう効率的という点について、もっとも体感できるのが「”効率的”な”力のかけやすさ”」です。
ふつうのシューズとペダルだと、足の裏はペダルにただ乗っかっているだけです。そのため、踏み込みの際に力がかかるポイントが常に一定になりません。その点、SPDを取り入れれば、足の裏の最も力をかけやすい部分を「ペダルの軸になる部分と固定できる」ため、力のロスが減ります。
結果的に、ペダリングの効率性が上がるという感じです。これは初めて使う人であればあるほど体感しやすいメリットです。足の位置を固定するという意味では、ピストバイクでよく使われる「トゥークリップ&ストラップ」や「ペダルストラップ」もありますが、SPDはよりピンポイントに足の場所を固定するのに向いてます。
▽過去ブログより:関連記事▽
もちろん、ピストバイクにSPDを取り入れてはいけないなんてルールはありません。むしろ愛用する人も結構多くいます。
2:乗車フォームを保ちやすい
- 自転車で長距離を走る
- 自転車で一定のスピードを保って走る
- 自転車でより体力を浪費せず、楽に走る
これはいずれも、正しいフォームを保つことが重要です。乗車姿勢が崩れていると割と簡単に疲れるし、なによりも今一つカッコが付きません。どうせならかっこいい方がいいですから(←笑)
で、SPDを使うと、ただのフラットペダルを使う場合と比べ、この「乗車フォーム」を保ちやすくなります。
先の内容にもつながるんですが、脚が固定されることでペダリングのムラが減ります。こうなると、よりペダリングの改善を意識することもできます。結果的にフォームの維持にもつながれば、フォームを改善するきっかけにもなってくれます。
3:割と気楽
個人的にはここが結構重要なポイントだったりします。そう、割と気楽なんです。「足が固定されるって怖いんじゃないの?」という意見多数と思われますが、案外そんなこともないです。
【足が固定される=とっさの時に危ない】
この方程式が多くの方の脳内にできていると思います。
あえて言うなら、この式は間違いです。というよりそもそもスポーツ自転車にのるなら、”とっさの時”が起きないよう注意する癖を普段からつけましょう。
曲がり角が多い市街地で一時停車しない、無理に車の間をすり抜ける、先の危険を意識せずにスピードを出しすぎる・・
こんな場合、どんな装備であれ”とっさの時に危ない”のは当たり前ですから。笑
ちょっと話がそれましたが、SPDは割と気楽です。まず、そんなに思ってるほど固定されないというのがポイントです。軽くぐいっと足首をひねれば外れます。
こんな感じで、簡単に固定&解除できます▼
あと、SPDシューズは意外とデザインにもバリエーションがあり、
- 普通におしゃれなもの
- ちょっとごつめの見た目のやつ
- より本格志向、スポーツ機材っぽいやつ
まで、実にいろんなデザインのものがあります。かつ、歩きやすい。
「ガチガチの機材っぽいシューズだと、普通に寄り道したりお店に入るときに気が引ける・・」
そういう方は多いと思います。そんな方でも大丈夫。SPDは気楽ですから。もちろん女子にもおすすめです。「ちゃんと自転車は乗りたいけど、しれっとカフェにも寄りたい・・」わかりますよ。そんな時はSPDです。
足元をSPD化するために必要なもの
ここまでは主にメリットの紹介でしたが、百聞は一見に如かず。ぜひ実際に試して見られることをおすすめします。
とはいえSPDは自作できるものではありませんから、用品は揃えないといけません。ここからはSPD化するために必要なモノをご紹介しましょう。
SPD専用ペダル
SPD機構を取り入れるためには、専用のペダルが必要です。普通のペダルでは、シューズを固定する機能がありません。そこで専用のペダルが必要になります。
これにはいくつかタイプがあって、
- 両面SPD(ペダルの踏む箇所が普通のペダルのように二面あるが、二面とも固定金具があるタイプ)
- 片面SPD(ペダルの踏み面が、片面は普通のフラットペダルで、もう片面には固定金具があるタイプ)
- 多面SPD(やや特殊な形状になっており、あらゆる面でクリートを固定する金具があるタイプ)
ざっくりこんな感じです。
「自転車に乗るときはSPDでしか乗らない!」という方はどれでもOKですが、両面SPDのものにするといっそ潔いかもしれません。より機材っぽい見た目は気分的にもアガると思います!
「スニーカーや普通のシューズでも乗りたい」という場合は、【片面SPD】をがぜんおすすめします。普通のペダルと同じフラットな踏み面があることで、使い分けもできます。
多面SPDはあまりよく見かけるものではありませんが、とにかくクリート(SPDシューズの裏にある、固定用金具)を受ける箇所が多いのが特徴です。MTBで使用されることが多いタイプです。デザインもなかなか◎”クランクブラザース”が有名でしょうか。
SPD専用シューズ
シューズもこれまた専用のものが必要です。中には、普通のスニーカーをSPDシューズにカスタムしてしまう人もいるみたいですが、、(使い勝手やソールの耐久性はどうなってるんでしょうか??興味はありますがね。笑)
SPDの専用シューズには、ソールの部分に、ペダルとシューズを固定するための金具である【クリート】が装着されています。以下の写真の、上矢印のマークがついた金具です。このクリートをペダルにはめ込むときに、あの特徴的な「カチッ!」とか「バツン!」みたいな感じの音がします。
SPDシューズはまぁ専用のモノ、特にシマノ製を用意しておけばひとまず間違いはないでしょう。
もっとも、SPDというビンディング機構はすっかりメジャーになっているので、シマノ以外にもいろんなブランドやメーカーからSPDシューズは出ています。
いろいろと探してみると良いと思います。
女子にもおすすめしたい。普通におしゃれなSPDビンディングシューズ
パナレーサーとコラボしたことも記憶に新しい、「クローム」はファッション性も高いです。
SPDシューズのみならず、通常のスニーカーやアパレルも人気がありますね。
お次はサイズ展開の幅も広く、カラー配色もセンスが感じられる「GIRO」です。昨今のスニーカーブームも手伝って、このデザインは女子サイクリストの皆さんにも刺さるのでは?
ちょいワイルド?歩きやすさも良い、MTB系のSPDビンディングシューズ
ちょっとごつめのソールで歩きやすく、MTBでも使われるようなタイプがこちら。見た目も、「いかにも競技用!」のような感じが薄れるので、まず最初の一足に良いのではないでしょうか。
より本格志向!機材っぽさ抜群のSPDビンディングシューズ
とはいえ、やっぱり”スポーツ機材っぽさ”にはそれゆえの機能美があります。より本格志向にSPDを取り入れてみたい場合、重量面なども検討材料になってきますよね。そんな時にはやはり、老舗メーカーは避けて通れないのかもしれません。
まとめ|SPDはスポーツバイク初心者にもおすすめ
今回は「SPD」についてのご紹介。いかがでしょうか?割と敷居が高いみたいに思われがちなSPD。じっさいのところ、ぜんぜんそんなことも有りません。この頃はデザイン性も増え、割と手ごろな価格で手に入るものも増えました。「思ったよりデザインのバリエーションがおおい!」と思った方もいるのでは?
確かに、一昔前はあまりカジュアルなモノやおしゃれなモノは少なかった(もはや無かった?笑)気がします。ですが、スポーツ志向一辺倒に近かった自転車業界も、何気に様々なコラボやこれ迄とは方針の違うアイテムづくりを始めたりしています。
だんだんとスポーツ自転車が身近になってきていると感じるこの頃です。そんなわけでSPD、いわゆるビンディングもぜひトライしてみては如何でしょう。「まずは見た目」で選ぶことが出来るようになったからこそ、一足取り入れてみるのもいい刺激になると思ってます◎
miki