アルミフレームにヘッドパーツとフロントフォーク装着
前回、アルミのピストフレームの納品状態からの下処理を行いました。
今回はいよいよパーツの組付け編です。手始めにヘッドパーツを装着していきましょう。これがないとフロントホイールどころか、フォークを取り付けできませんからね。
さて、ところで今回のフレーム【AllCity】の”サンダードーム”は【テーパーヘッド】かつ【インテグラル】です。なにやら横文字が多くてしんどいですね←笑
テーパーヘッドとは
まず、【テーパーヘッド】というのは、ここ最近のトレンドみたいなものです。フレームを真正面から見たとき、フォークを差し込む“ヘッドチューブ”と、“フォークコラム”が、「上側が細く/下側が太くなっているもの=テーパーヘッド」です。写真の感じです。
もう最近のアルミピストフレームは勿論、ロードバイクでもこのタイプが主流になりつつあります。
もともとはマウンテンバイクから始まった規格です。パイプの下側を広げてショックを受け止める面積を広くするという、まさしくタフさが求められる視点から広まり、すっかりピスト界にも浸透しました。
これにより、様々な規格が乱立します。
ただし、基本的には、ヘッドチューブの上側に飛び出るフォークコラムは普通の【オーバーサイズ(1-1/8インチ、直径28.6mm)】です。つまり、普通にトムソンとかのステムは使えます。というか主流のアヘッドステムは大体なんでも使えます。
インテグラルとは
テーパーヘッドはわかっても、じゃあ「インテグラルってなんぞ」となるところです。
「インテグラル=上下のヘッドパーツが必要ない」っていう感じです。
インテグラルは、フレームのチューブ自体がヘッドパーツの役割を担います。どういうことかというと、フレームのチューブにダイレクトにベアリングを装着するものになります。一般的なのは以下のような感じです。トップチューブにヘッドパーツ、「上ワン」「下ワン」を装着し、そこにベアリングを入れます。
トップチューブに対して、上下にポッコリ膨らんだ部分がありますね。これが上下のヘッドパーツ「上ワン」「下ワン」です。ここにベアリングを装着し、フォークを挿入します。
クロモリ系の鉄のピストフレームではまだまだ現役のパーツですが、インテグラルにはこのパーツがありません。▽
先ほどと同じ画像ですが、見ての通り、「ワン」が存在しません。チューブの内部でダイレクトにベアリングを受け止める仕組みです。おおきな違いとしては、まあ、、見た目がシュッとしますかね。あとはパーツ点数が減ってよりシンプルになるとかでしょうか。
テーパーヘッドのサイズを確認
ヘッドセットの規格がわかったところで、そろそろヘッドパーツを組付けていきましょう。
今回のフレームのヘッドパーツ規格は、先のとおり
- インテグラル
- テーパーヘッド
です。
つまり、これにあったヘッドパーツを使わなければ、フレームにヘッドパーツを装着できません。具体的には、フレームのトップチューブの上と下、「ベアリングを受け止める場所のサイズ」と「ベアリングのサイズ」がジャストミートしないとだめです。
なので、まずはフレームのトップチューブの上と下の内径を計測します。
チューブの内径をチェック
ノギスを使って、ベアリングをはめ込む場所の内径を計測します。
計測した結果、
- 上:トップチューブ上側のベアリング取り付け箇所の内径=41mm
- 下:トップチューブ下側のベアリング取り付け箇所の内径=52mm
となりました。
一ミリでもベアリングのサイズが大きいと絶対に取り付けできませんし、一ミリでもベアリングのサイズが小さいとガタが出ます。このフレームには、上側ベアリング41mm(Is41)下側ベアリング52mm(Is52)がジャストフィットということです。
・・・あれ?上側41mmって、もはやほとんど見かけなくない?今の主流って上側42mmのはずだけど?まあいいや、メーカーが上42mm下52mmでOkって言ってるし、一般的な上42mm下52mmで行っちゃえ。でも何回計測しても上側41mmなんdaけd……..
という心の声がありましたが、ひとまず一般的なインテグラルヘッドセットを用意しました。もはや定番かつ鉄板の【CANE CREEK(ケンクリーク:通称ケンクリ)】です。とりあえずこれなら間違いない的ヘッドパーツです。
今一度、ベアリングの外径を図ってみましょう。
サイズが合ってない疑惑の上ベアリングです。
絶対サイズあわん。
インテグラル/テーパーヘッドのヘッドパーツ選びは慎重に
結論から言えば、まあやっぱりサイズ合いませんでしたね。
今回のフレーム、上側のベアリングは【41mm】という、なぞに旧式(もはやマイナー)規格でした。たまたま41mmの上ベアリングあったので代用。下側はドンズバ計測通りで【52mm】のベアリングを装着できました。
インテグラルヘッドのフレームにヘッドパーツを装着するとき、間違ってもサイズの合っていないベアリングを装着しないようにお気をつけください。
ベアリングがフレームに対して大きいのに無理に装着すれば、最悪フレームのチューブが割れます。小さいベアリングを装着した場合は、フォークが正しく固定されず、ガタつきが出たり、フォークコラムを痛めるなど悪影響も出ます。何より危ないです。
ひとまずこれで、ヘッドセットが取り付け完了です。フォークにベアリングの受けを叩き込んで装着完了です。
次回は、あまりお勧めしないシートポストの加工と取り付けをご紹介しましょう。
miki