2000年代のロードバイクムーブメントを振り返ってみる
スポーツ自転車、とりわけ「ロードバイク」が流行って市民権を得たのは、たしか2000年代中頃だったか。
そのころは個人経営のロード専門店もたくさんあって、中古市場も激熱でした。今では考えられない値段で、憧れのパーツの中古も簡単に手に入る。
メルカリとかなかったけど、「アメ村のサイクリーでお前が探してたハンドルあったぞ!」みたいな感じで、ある意味で情報は溢れていた。
それからちょっとして、『弱虫ペダル』の影響でさらに市場は加速。各社から発表されるエントリーモデルやミドルグレードも、新車で15~20万円以内で買えるなんて良き時代。
んで、なんやかんやあって、まだ記憶に新しい「コロナ禍」の時代です。【密】を避けるべく「アウトドアブーム」が巻き起こり、スポーツバイクの需要もまだまだ下支えがありました。このタイミングで、ロードやピストに乗り始めた人も多いんじゃないでしょうか。

本質的に「気軽じゃない」ロードバイク
ところで、その頃に買った自転車、今どこにありますか?
スタンドに吊るしたままでホコリがたまってません?あるいはガレージの奥にしまい込んでますか?CtoCのサービス、メルカリとかヤフオクで売った方も多いかもしれません。
なぜそうなるかっていうと、ロードバイクは本質的にスポーツ機材だからです。走れば走るほど体力づくりにもなるし、良い経験もたくさんできる。その代わりにパーツは消耗し、乗りかたにもよるけど、地味に維持費がかかったりもする。
結局、気軽な乗り物じゃない。「ちょっとそこまで」の距離を乗るならママチャリで十分だし、通勤通学に何十万円もするロードバイクは必要性が無い。盗まれたり倒されたりする可能性も有りますし、心的にも金銭的にも宜しくない。それらの用途を満たすなら「クロスバイク」が最適解と言えちゃいましょう。
そこそこ早く走れ、入手性も良く、カゴとか付けて街乗りにグッド。
・・じゃぁ、クロスバイクで良くね?
クロスバイクの登場
【クロスバイク】。街中で見かける事、めちゃくちゃ多いと思います。

クロスバイクはなぜクロスバイクなの?

「クロスオーバー」な「バイク」だから。だ。
クロスバイクは1980年代には既に存在していて「クロスオーバーバイク」の呼称で登場しました。
当時はマウンテンバイクがめちゃんこにブームで、その「マウンテンバイクをベース」に「舗装路での快適性を向上させ、生活にフィットした自転車」として登場。
【スポーツの要素】と【生活の足】の2つの特性を【併せ持つ(クロスオーバー)】した自転車
いえす。this is Cross-Bike !!!
また、スポーツバイクの派生として「ランドナー」も微妙に近い物を感じますが、クロスバイクは「マウンテンバイク」の要素がやや強めなのも特徴です。
例えば変速機。最近はそうでもないですが、「フロント3段変速×リア7段、8段変速」の変速機構成が良く採用されていて、これは当時モノのエントリーモデルのMTBでよくあるギア構成です。
今は「フロントシングル×リア8段」などのクロスバイクも多数あり、クロスバイクの中でも選択肢は広いと感じますね。
街乗り最強?クロスバイクは、盤石な市民権を得た
そうして「クロスバイク」というカテゴリーの中でも選択肢が増え、市場が形成されます。
知らんかったけど、最近は「フィットネスバイク」とも言われるそうですね。
コロナ禍で自転車通勤のシーンが増えるなどもあり、健康意識の高まりやダイエットの一環として、自転車を生活に取り入れる人も増えたという事で「フィットネスバイク」。なるほど。
たしかに、TrekとかGIANTとかで「ロードバイクまではいかないけど、クロスバイクよりもスポーティー」なチャリがあります。
GIANTのESCAPEとか、息の長いモデルもソレですね。うんカッコイイと思う。
それから「ウーバーイーツ」等、「フードデリバリー」も流行りましたね。
あ 過去形っぽくなった。正しくは「定着しましたね」ですね。
これらの配達をやっている人々の自転車、クロスバイクが結構多い。そんなわけで
- 頑丈で入手性が良く
- 日常使い、街乗りで便利
- カゴやラック、スタンドの取り付けなど拡張性が高い
と三拍子そろう夢の自転車。そりゃもう、支持されるわけです。
ガチのスポーツ自転車は要らん。日常で使えて、そこそこ早くも走れて、シュッとしたチャリが欲しい。
そんなリアルなマーケットを、クロスバイクが席巻したのは当然と言えましょう。
一方で「クロスバイク」を「ロードバイク化」し始める、一部の人々
そんな酔狂な人々も実は一定数いるんだなこれが。僕も当時、そうだったもん。

自転車を理解したくて。クロスバイクを分解していたあの日々
スポーツバイクのムーブメントで、とりあえず入手しやすい「クロスバイク」を手に入れた人々の一部は、入口こそクロスバイクだったとしても、ママチャリよりも圧倒的に軽快なその自転車で、野に出て海や山に向かい、それこそロングライドやキャンプツーリングにのめりこみます。
そしていつしか思うのは
- もっと早く、もっと遠くへ。
- まだ見ぬ景色に出会いたい。もっと自転車を理解したい。
こういう、ある種の欲が出てきます。
もうそうなると、あれよという間にパーツは増え、比例するように工具も増え、どんどん車体の外見は変わり、いつしか「元クロスバイクだった”何か”」が誕生する。
クロスバイクのロードバイク化は結構面倒
クロスバイクはその特性上、カスタムベースとしては案外面白いもんです。ハンドルのグリップ、サドル、タイヤとかを変えるだけでも見た目は自分仕様にできますし、先ずはこの辺からやってみる人も多いと思います。
問題は、変速関係です。
先ほどの例として「Trek(トレック)」とか「GIANT(ジャイアント)」など、大きなメーカー/ブランドのクロスバイクは、モノにもよりますが、ロードバイクと同じ変速機構、スプロケット、ロード用の前後ホイールをポン付けできるものも有ります。シリーズさえ注意すれば、シマノのコンポーネントが普通に対応します。それらのフレームは、クロスバイクというよりも、もはやグラベルロードと言えなくもないですが。w
ただし量販店で割と安価に購入できるクロスバイクなどは、その限りではない。
- ホイールを変えようと思えば、ホイールとスプロケット(変速段数、と思ってOK。)が物理的に入らない
- ドロップハンドルを手に入れたはいいけど、対応するシフターを見つけられない
- 何とかフレーム以外の全てをロード仕様にしたけど、乗車に難がある
そんなのザラです。

自転車を理解したくて。変速機を破壊したあの日
MTBの色が濃いクロスバイクなら、尚の事苦労するでしょう。
やっと本題。「ロードバイク」を「クロスバイク化」していく
今回の記事では、主にロードバイクのムーブメントの変遷と、クロスバイクの発祥と由来、特性などをざっくり書いてきました。
軽くまとめると、
- 2000年代、ロードバイクのブームが起きる。コロナ禍でスポーツバイクの需要が続いた
- 一方、1980年代頃から、一般向けに「クロスバイク」が普及し始める
- クロスバイクは広く受け入れられ、その実用性は、日常の移動手段から健康志向のフィットネス用品としても広がりを見せた
こんな流れですね。
さてここからが、本記事シリーズの本題です。これまでは「全て」前置きです。まいどの事ですがとても長いイントロ。
先ほど「クロスバイクのロードバイク化は結構面倒」と書きました。しかしてその逆はイージーです。クロスバイクの定義を思い出してください。
どうでしょうか?つまり「ロードバイクを気軽な日常の足にしたチャリ」にできれば、それは立派なクロスバイク。
しかも、本来はロードだから、けっこう走りも行けちゃう。そんなハイブリッド自転車が出来るってことよ。
では、次回記事から具体的なカスタムのポイントを書いていきます。
それでは、また近々。
しばしご歓談くださいませ。
miki